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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
内山晶太
みずうみに泳ぐおのれをおもうとき海よりずっと臆病になる
用もちていでゆく妻が夏の日の照る草むらをへだてて見ゆる
ダンボールの剣が団地に落ちてをり手に取りてわれも振り回したし
匂ひからこはれはじめて桃の実をしづかに啜る夜の流しに
イヤホンの長さぶんだけ遅延して椎名林檎が叫ぶ耳元
苦瓜は破裂し赤い種を撒くじぶんのことがもうわからない
あなたたち(わたしたち、とあなたたちは言った)ゆっくりすべりおちる滑り台
蜂蜜が
頤
おとがい
を垂る逝く日までニュースにまみれ生きてゆくのか
ましろなる粥の
喉
のみど
をおりるとき蒙古タンメンすすりたしふいに
ビーツのやうなこころを抱へ少女たち岸辺のひかりを連写してゆく
生き残りしおきなも学徒もいまや死者からからと風がわれ吹き抜ける
真夜灯し天体図開くしばらくを不眠と言はず贅沢と思ふ
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