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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
平岡 直子
秋になれば秋が好きよと爪先でしずかにト音記号を描く
バレリーナみたいに脚をからませてガガンボのこんな軽い死にかた
噴水が今日のさいごの水たたみ広場に蝶やダリアさまよう
春の日のななめ懸垂ここからはひとりでいけと顔に降る花
Tシャツを千枚脱いだら目覚めたの すみやかに来てグラン・パ・ユング
四年前グアムで買った星型のにこにこシールを使い始める
ゆくりなく枯野へと鶴まひおりて風景が鶴一羽へちぢむ
トンネルとトンネルの間のみじかきに朽ちたる家を車窓は映す
くちなしの香るあたりが少し重く押しわけて夜のうちを歩めり
隠さずにどうしてそれを告げたのかはじめはまるでわからなかった
夜の道に呼ばれてふいをふりかへるそこには顔があまたありすぎ
生理中のFUCKは熱し/血の海をふたりつくづく眺めてしまう
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