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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
平岡 直子
園芸用ポールは肋のごとく立ちそこより出でず茘枝(ゴーヤ)の繁る
うれしいの わたしもうれしいゆふやけが夏の水面をまたたかせると
屋外は現在、屋内は未来、中庭は過去、につながりて夜の秋
耳よりも大きいキティのストラップ揺れて少女は突然泣いた
ふだん喋る機会のない人からペンを借りおめでとうと書いて返した
みぞれ みぞれ みずから鳥を吐く夜にひとときの祭りがおとずれる
うつしみに鎮痛剤がはなひらく再放送のような部屋にて
男の子はチョコレートパフェを食べてゐる 地に下ろされた鯉のしづけさ
鏡には光がうつり美容師の話のなかでだけ会う女の子
さかむけをちぎり取れない たくさんの水をかければ動かぬ歩道
藍よりも愛はつめたし 夜の窓を右舷となしてきらめくピアノ
二階より眺むる街にひとびとの身に運びゆく季語の多かり
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