コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
平岡 直子
女子とかにほらって見せればモテるから小さな崖が体にほしい
飛沫(しぶき)上げ光の中にはしゃぎたるわれのやさしき歌返してよ
マネキンの首から上を棒につけ田んぼに挿している老母たち
蝿はどの教室も好きじゃないけれど階段を下りられないのだろう
存分に愉しみしゆゑ割れるのを待たずに捨てる緑のグラス
いれものが似ているだけでなぜだろうわかりあえるとおもってしまう
戦争に見えて思わずうろたえる「食事とコーヒー」の字体が変で
無口なる姉妹を産んで編み物も刺繍も蜘蛛のようにする母
終電のゆきたるのちの柿生駅灯りて駅の風格保つ
切り傷の乾ききらずに夏来たり交差点の百合はあたらし
どうしようもないことだけでできているアネモネだから夜を壊そう
堤防に続く景色に追いつかれそうでしずかに手袋はずす
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
7
固定ページ
8
固定ページ
9
…
固定ページ
13
次のページ