コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
岩尾 淳子
手を振ればせつなさは手にあふれきてしづかにこの手戻して歩む
翡翠かはせみの前世おそらく青空のかけらわがこころこそ夜の霜
乗降の人無きままのバスの客われは座敷に座すごとくせる
あの赤いプラダの財布よかったな買おうかな働いて働いて
自転車が自転車を抜く遠景の橋 そこに感情はあったやろうか
街のここかしこにカノン湧き上がり落ち葉は落ち葉を掃く人に降る
いはれなく街の向うまで見えて来る さよならといふ語をいふときに
おしぼりの熱を押しあてすべて目が見せるまぼろしこの世のことは
蜘蛛の巣の枯れ葉のゆるるかたへ過ぎあゆみとどめつ何か忘れて
病苦より逃れんとしてキリストに触れたりし指どこまで伸びる
ある朝を思いつめたり足りなくて足りなさを過ぎて咽喉を鳴らして
少女子をとめごがあやとりをすもあたらしき國つくるがに息をころすも
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
…
固定ページ
13
次のページ